


ギバーとは一体なんなのか。
その前にアダム・グラント氏の著書である「GIVE & TAKE(ギブアンドテイク)」をご存知でしょうか。
アダム・グラントはアメリカの心理学者であり、とても若くして教授となった大変優秀な方です。
そんなアダムが「GIVE & TAKE」の中で人間の考動パターンを3タイプに分類しており、その中の一つが「ギバー」です。
他にも「テイカー」と「マッチャー」という考動パターンがある事を提唱しています。
今回はこの「ギバー」「テイカー」「マッチャー」について解説します。
ギバー、テイカー、マッチャーとは?
ギバー
「ギバー」とは「与える者」です。見返りを期待する事なく、他者へ与える事ができるタイプです。
あなたの周りにも「損得を一切考えずに他人のために行動できるタイプ」の人間がいるのではないでしょうか。
3タイプの中で最も失敗すると言われているタイプです。
テイカー
「テイカー」とは「奪い・受け取る者」です。テイカーは常に自分が有利な状況になるように働きかけ、他人から多くを奪おうとします。
負けず嫌いが多く、他者より上にいく事を「成功」と考えます。
マッチャー
「マッチャー」とは「調整する者」です。相手に与え、相手からも受け取ります。
やられたらやり返す、施されたら施し返す、常に50:50を意識して行動するため、テイカーを懲らしめる役だと言われています。
多くの人がこのタイプに当てはまります。
失敗する者、成功する者
では次に最も成功するタイプと失敗するタイプを解説します。
失敗する者
3タイプの中で最も失敗するのは、先述のとおり「ギバー」です。
何故ならテイカーに摂取されて力尽きるからです。
実はギバーにはさらに2タイプあり、こうして己を犠牲にして相手に尽くすギバーを「自己犠牲型ギバー」と言います。
相手に尽くす事を優先するため、自分の利益を全く考えないために生産性が低く、ビジネスにおいては成果が出ません。
「良い人なんだけど、仕事は一緒にしたくないタイプ」に分類されます。
成功する者
そして3タイプで最も失敗するのは、
実はこれもギバーなのです。
こちらのギバーは、「他者志向型ギバー」と言います。
そしてこの他者志向型ギバーは相手の利益のために考動しますが、同時に己の利益も考える事ができるタイプです。そして相手がテイカーの場合は、思考をマッチャーに変換することができます。
こうして、テイカーに対してはマッチャーとして反撃し、ギバーやマッチャーに対しては相手に利益を持たせ、相手の成功から自分の利益を得ることが出来ます。
自分の利益を決して見失わず、周囲を勝たせて自分も勝つといった「プラスサムゲーム(全員の利益の合計がプラスになる事)」を生み出す事ができるため、他人のために行った善行が自分に返ってくるのです。
これは「情けは人のためならず」という諺(ことわざ)としても言い伝えられています。
ヒエラルキー
また、アダムはそれぞれのギバーを以下のように言い換えています。
- 自己犠牲型ギバー → ボトムギバー
- 他者志向型ギバー → トップギバー
そしてアダムが提唱する3タイプ(厳密には4タイプ)をヒエラルキーとして表すと以下の図になります。

つまりトップギバーは最も成功し、ボトムギバーは最も失敗するという事です。
トップギバーになるには?
では、意図的にトップギバーになることは可能なのでしょうか。
私が考えるに、トップギバーは生まれ持っての性格が影響しているため、かなり難しいと考えています。
しかし、不可能なわけではありません。
トップギバーになるには「皆の利益」のために考動する事です。「自分の利益だけ」でも「他人の利益だけ」でもありません。「自分の利益も含む皆の利益」です。相手が成功することで自分も成功する、そういった意識が大切です。
テイカーから摂取されないために
トップギバーになるためには、「皆の利益」のために考動することが大切だと紹介しました。
それでもテイカーから狙われると、ボトムギバーになってしまうリスクがあります。
そんなテイカーから身を守るにはどうしたら良いのでしょうか。
それは、
テイカーに対して、絶対に「逃げる」もしくは「近づかないようにする」
を徹底する事です。
テイカーの特徴は以下のとおりです。
- 自分からアドバイスをしたがる
- 他人の価値観を認めない
- よく手柄を横取りする
- 他人にどう見られるかを気にする
- 交換条件を出して頼み事をしてくる
- 他人から頼み事をされると言い訳して逃げる
わかりやすい特徴ですね。
こんな特徴がある人に出会ったら全力で逃げましょう。
消耗するだけです。
まとめ
- 最も成功するのも失敗するのも「ギバー」である
- 成功しやすい順番はトップギバー>>マッチャー>テイカー>>ボトムギバーである
- トップギバーになるには、皆(己を含む)の利益のために考動すること
- テイカーからは全力で逃げる