
囚人のジレンマ
囚人のジレンマとは?
囚人のジレンマとは、「お互いが協力したら協力しない状況に比べ良い結果が得られることが分かっていても、片方が自己利益のために非協力的だとお互いに協力しないというジレンマ」のことです。
囚人のジレンマのルール
プレイヤーは2手(個人でもチームでも)にわかれます。
本記事では「自分」と「相手」という表現で説明します。
お互いに「協力」と「非協力」という2つの選択肢をもっています。
自分と相手の選択の組み合わせにより、結果が決まり、その結果によって得点が決定します。
下図のように、お互いが「協力」を選べばお互いが2点を獲得し、自分が協力しても相手が非協力なら、自分は0点で相手は3点です。双方が非協力なら、両方が1点を獲得します。

囚人のジレンマには必勝法がある
そんな囚人のジレンマですが、実は「必勝法」と言われているものがあるのです。
それは「倍返しだ!」こと「しっぺ返し戦略」です。
しっぺ返し戦略とは、自分からは「非協力」を選択せず、相手の一つ前の選択肢を真似する戦略です。
つまり「やられたらやり返す・・・倍返しだ!!」ってことです。
なんとこの「しっぺ返し戦略」は、囚人のジレンマにおけて、どの戦略が一番優れているかを確認するための大会で優勝しているのです。
※この大会は過去2度開催されていますが、2度とも優勝しています。
現実における囚人のジレンマ
囚人のジレンマを現実に置き換えた場合は、どんなことに当てはまるでしょうか。
2020年2月、コロナ禍での「デマ」によりトイレットペーパーが姿を消した事件も記憶に新しいのではないでしょうか。
この事件が起きた理由は完全な「デマ」でした。
でも実は「デマ」だという真実はほとんどの人が知っていて、それでもみんなトイレットペーパーを買い占めるしかなかったのです。
トイレットペーパーを買い占めた人は「転売目的」だったり、「トイレットペーパーが一時的に買えなくなるので仕方なく買う」しかなかったりした人々です。
トイレットペーパーは常に製造されており、定期的にスーパーなどに陳列されましたが、ここで「希少性の原理」が働き、トイレットペーパーを見つけた人は即購入してしまうという負のスパイラルへ陥ってしまいました。
結果的に「デマ」だと知っていてトイレットペーパーを買わなかった人(協力的な人)が一番損をしてしまいました。
これが「囚人のジレンマ」です。しっかりと「しっぺ返し戦略」も活用されていますね。
ゲーム理論
「囚人のジレンマ」は「ゲーム理論」の一つです。
「ゲーム理論」とは、数学的に利害関係のある「自分」と「相手」の利益や心理を分析して、最適な行動を決めるための思考法です。
まとめ

- 必勝法は「しっぺ返し戦略」
- 囚人のジレンマはゲーム理論の一つ