【超効果的】やる気を引き出す、正しい部下の褒め方

部下のやる気を引き出すには「褒め方」が大事

少し前の時代は会社は完全な縦社会であり、部下を叱責するといった光景は当たり前でした。

しかし、今やどこも人材不足の時代であり、ハラスメントが問題視されるようになってから「部下を褒めてやる気にさせる」といったマネジメントも管理職に求められるようになってきました。

褒めると言っても「すごい!」「偉いね!」といった上部だけの言葉ではなく、もっと具体的に部下の行動に焦点を当てて褒める事が重要です。

今回は、そんな部下のやる気を引き出す「褒め方」について解説します。

部下の褒め方の正しい知識

価値観は部下によって違う

当たり前の話ですが、人それぞれ価値観は違います。

ということは当然、部下によって褒められて嬉しいポイントも違います。

「相手が望むことは何か?」を分析して褒め方を考える必要があるのです。

例えば、「残業を一切しないで帰る」ことを望んでいる人もいれば、「誰よりも早く出世する」ことを望んでいる人もいます。

そして、「残業を一切しないで帰る」ことを望んでいる部下に「キミは仕事ができるから、他の人よりも多く働いて欲しい。もちろん残業はいくらでもして良いからね。」と褒めても「残業代なんていらないから定時で帰りたい・・・」と思う人がいるのが現状なのです。

このように人それぞれ考え方は違い、様々な働く理由があります。

あなたの褒め方が「嫌味」に捉えられる事もあり、それは次第に部下にとって「苦痛」に変わっていきます。

結果、退職やハラスメントとして訴えられる、といった事に発展する可能性があるのです。

だから、部下を分析して正しく褒めることが重要なのです。

「褒める」とは「認める」こと

「褒める」ということは、相手の承認欲求を満たすことです。

そして「承認」は、以下の通り「結果承認」「行動承認」「存在承認」の3つに分けられます。

  • 結果承認・・・部下の成果に対して「よくやった」と認める。
  • 行動承認・・・部下の行動に対して「ありがとう」「助かった」と認める。
  • 存在承認・・・「あなたが居るだけで職場が明るくなる」といった部下の存在を認める。

正しい部下の褒め方

先述した通り、「承認」は、「結果承認」「行動承認」「存在承認」の3つに分けられます。

この中で結果承認は誰もが自然に出来ていると思います。

しかし、結果承認は、成果を出せるような部下にしか使えません。仕事ができない、やる気がない部下にやる気を出させるには、「行動承認」や「存在承認」を行う必要があるのです。

また、「承認」といった部下にとってのメリットは「すぐに」「確実に」「褒める」ことが重要です。何故なら、褒められるかどうかもわからない行動を頑張って行おうとする人はいないためです。

では、次項から具体的に正しい部下の褒め方を見ていきましょう。

「行動承認」を心がける

行動承認は、部下の行動に対して行います。

例えば、部下が積極的にオフィス内の清掃を行った際に「清掃した行為」に対して褒める事が該当します。このように清掃した行為を褒めれば、部下は積極的に清掃を繰り返すようになります。

この時に注意してほしいのが、清掃という行為に対してオフィス内が綺麗になった、という成果だけを褒めないという事です。成果だけを褒めるということは、部下が「成果を出せば褒められる、認められる」といった考えになりがちで、後輩に清掃をやらして自分は何もしない、といったようなズルをして成果を出そうとする行動に走らせます。このような行動はいずれハラスメントに発展するリスクがありますので気をつけましょう。

「存在承認」を心がける

次に存在承認について説明します。

存在承認は、部下の存在自体を認めることです。

担当業務上、目立った功績が出せない部下に対しては、この存在承認が有効です。

例えば、「あなたが居るだけで職場が華やかになる」といった風に褒めると良いでしょう。

ここで注意しなければならないのは、目的を見失わないことです。

目的はあくまで部下をやる気にさせることであり、褒めることではありません。

「いつも可愛いね」などといったいき過ぎた褒め方になると、相手をドン引きさせるだけでなく、ハラスメントと捉えられてしまうので気をつけましょう。

「すぐに」「確実に」「褒める」

部下にとって「褒められる」といった見返りは「すぐに」「確実に」行われないと意味がありません。後から褒められたら、すぐに見返りを得られないために、その行動を繰り返す優先度が下がってしまうためです。

目安として、その行動に対して60秒以内に褒めるように心がけましょう。

部下を褒める際にやってはいけないこと

的をはずして褒める

先述したとおり、人それぞれ価値観は違うため、本人が褒められても嬉しくないポイントを褒めるのはやめましょう。

嘘をつく

嘘は見透かされます。そして嘘をついて褒めると、相手が勘違いして調子になるキッカケとなり、あなた自身の評判を落とす事になるのでやめましょう。

否定する

あなたの価値観を押し付けて、相手の意見を否定するのはやめましょう。価値観はそれぞれ違うため、意見を否定されるとあなたとの信頼関係は崩れますし、やる気はかなり下がる結果となってしまいます。

気まぐれに褒める

気まぐれに褒めると、ただの「気分屋」と思われて、あなたの言葉は信用されなくなります。

まとめ

  • 「部下を褒めてやる気にさせる」が求められる時代
  • 価値観は部下によって違うため、分析する
  • 「行動承認」と「存在承認」を心がける
  • 「すぐに」「確実に」「褒める」
  • 褒める際に嘘をついたり、相手を否定してはいけない