【3M】ムリ・ムダ・ムラ|新入社員でもわかる業務改善の基本

よく会社に掲げられている「ムリ・ムダ・ムラ」。会社によっては「ムダ・ムラ・ムリ」だったり、「ムラ・ムリ・ムダ」だったり、そもそもどんな意味があるの!?という状態だったり。今回はそんな「ムリ・ムダ・ムラ」について解説していきます!

「ムリ・ムダ・ムラ」の意味

ムリムダムラとは、業務効率化に必要だと言われている3要素です。ムリをやめて、ムダを排除し、ムラを無くす、それが業務の効率化に必要な要素だと考えられているのです。

ちなみに漢字だと「無理・無駄・斑」と書きます。まぁ普通に漢字では書きませんが・・・。

「ムリ」とは

「ムリ」の意味

人間の能力を超えた無謀な計画をしたり、達成不可能なノルマを課せること。人の能力に頼り切った計画というのは必ず破綻します。

「ムリ」の改善例

人間が1秒も休まずに手を動かした時、「製品A」の生産数は、1時間に6コです。これをそのまま、1時間に6コ生産で計画しても達成できません。

なぜなら人間が1秒も疲れることがなく、常に100%の能力を発揮している状態が続く、ということを前提に計画しているからです。最悪の場合は、焦るあまりに誤った機械の操作をして壊してしまったり、怪我をする可能性があり、そうなった場合は、1時間の生産数が0コという悲しい結果に終わることでしょう。

ではこの場合、生産性を上げるにはどうすれば良いのでしょうか?答えは簡単で、「ムリ」をせず、「ムリ」ではない方法で生産性をあげれば良いのです。

(だからその方法を聞いているんだろっ!!とお叱りの言葉が聞こえて来そうです・・・)

具体的に言いますと、人間の能力を維持できるのが75%と仮定した場合、1時間の生産数は4.5コとなりますよね(6コ×75%=4.5コ)

なので1時間の生産数を6コ以上にしたいのであれば、「製品A」を二人で生産すれば良いのです。そうすれば、4.5コ×2ラインとなり、1時間に9コ生産できます。

「ムダ」とは

「ムダ」の意味

無計画に大量の生産を行ったり、必要以上の行動をしたりすることを指します。日常生活での例ですと、食料が安売りしているからといって、賞味期限を気にせずに大量に購入してしまうようなことが「ムダ」にあたります。

このような大量に購入したのに、結局消費しきれずに賞味期限を切らしてしまうといった経験は、誰でも一度があるのではないでしょうか?

「ムダ」の改善例

ある製品を造るために「組立B」という工程があったとします。組立B は、組立作業を行った後に3メートル先に設置してある検査治具(組み立てた製品が基準を満たしているか確認する道具)を使って、品質確認を行わなければなりません。そのために組み立てた製品を手で持って、検査治具が設置されている場所まで移動してから品質確認を行なっています。

ここに「ムダ」があるのです。

今回は「動作」と「運搬」に関するムダが発生しています。どういうことかというと、治具がある場所まで移動するという「動作」がムダだということです。また、その治具が3メートル先にあり、そこまで組み立てた製品を持って行く「運搬」もムダです。

これはもう某DIO様がいたら「無駄無駄無駄ぁ!!」を連呼されているところです。すみません。ふざけました。

それではこの「ムダ」を改善するためにはどうすれば良いのでしょうか?

検査治具を組立Bの隣に設置してしまえば良いのです。そうすることで、最低限の「動作(腰を動かす程度)」で検査治具を使うことができて、さらに製品を「運搬」せずに済むため、作業時間が短縮されます。

かなり効率がUPするはずです。

「ムラ」とは

「ムラ」の意味

極端に忙しかったり、極端にひまだったり、日によって業務量が全然違うようなことです。組織に例えると、仕事ができる人に仕事が集中して、仕事ができない人には仕事が集まらないなどの現象です。あなたの周りでも「あるある」なのではないですか?

「ムラ」の改善例

ある製品を生産するため、3人で流れ作業を行なっているとします。

手順は、【Cさん組立】→【Dさん塗装】→【Eさん検査】の順番です。

1時間あたりの格工程の作業量は、Cさん5コ、Dさん10コ、Eさん7コでしたので、結果的に1時間で5コ生産できました。

・・・と、これが「ムラ」というやつです。

Dさんだけが10コ捌けても意味がないのです。全ての工程が同じ量を生産できるのが理想です。今回の場合は、バラツキを平準化させれば改善されます。

具体的にいうと、DさんがCさんの組立作業を手伝い、1時間あたりの各工程の作業量を組立7コ、塗装7コ、検査7コに調整するのです。そうすれば1時間あたりの生産量は7コとなり、ムラがなくなります。

まとめ

  • 「ムリ・ムダ・ムラ」は業務効率化に必要な3要素である。
  • 「ムリ」とは、人間の能力を超えた無謀なことである。
  • 「ムダ」とは、やらなくても良いことである。
  • 「ムラ」とは、業務のバランスが悪い状態である。

今回は、「ムリ・ムダ・ムラ」について解説しました。

あなたの仕事に役立てば幸いです。