【社会的証明の原理】みんなが多用している「常識」の正体は○○です

ナメリーヌ
お笑い番組でよく聞く録音されたような「ワハハ」って笑い声って何なんですか、何のためにあるんですか?
ヒカリ
あれは、大して面白くないネタに対して使うことで、面白いネタと錯覚させる効果があるんだよ。「社会的証明の原理」と呼ばれる心理なんだ。

社会的証明の原理とは?

ある行動を、みんなが行えば行うほど、その行動が正しいと判断してしまう心理です。

例えば、「緑の冷蔵庫」が発売されたとしましょう。

この冷蔵庫は、日頃から見るだけで人々の視力を回復させる事ができる、といった新商品です。

科学的に証明されている訳でもないのに、大ヒット商品となりました。

「素晴らしい」「星5です!やっと買えた!」「視力が良くなった、気がする!」「本当かどうかはわからないけど、試してみる」と行ったようなクチコミが目立ちます。

では、この「緑の冷蔵庫」は、なぜ大ヒットしたのでしょうか?

それはクチコミの数から確認できる「皆が買っているから」という安心感によるものです。ここで人々は「皆が買っている=常識=私も買うべきもの」と、社会的証明の原理によって、錯覚が起きてしまっているのです。

冒頭で出てきたお笑い番組の録音されて笑い声も、もちろん、この原理を狙ったものです。

「常識」の正体

もうお分かりでしょうが、日本人が良く使う「常識」という概念の正体もコレです。

厳密に言うと、コミュニティの中の社会的証明が常識の正体です。

例えば、世界の情報を得る手段として、日経新聞を毎日読むのは、常識でしょうか?

答えは「年代による」です。60代以上の方にとっては「常識」になるでしょうし、40代の方に限って言えば、半々くらいになるので、「常識とは言えない」という事になります。

20代や30代にとっては「非常識」になります。20代や30代にとっては、わざわざ余談が多い新聞から情報を取得するよりも、WebやSNSを利用して効率的に情報を取得する方法が「常識」なのです。

こう考えると「常識に囚われる虚しさ」が見えてきますね。

社会的証明の効果

他者からの影響

私たちは、他者から多くの影響を受けています。例えばレストランのレジ前に設置された募金箱に、たくさんの紙幣と硬貨が入っていたらどうでしょうか?

たくさん募金されている=みんな募金している=私もしても良いかも、と思いませんか。ではこれが、何も入っていない募金箱ならどうでしょう。興味すら示さないのではないでしょうか。

このように他者の行動によって、私たちの思考にバイアス(偏り)がかかってしまうのです。

ちなみに、「たくさんの紙幣と硬貨が入った募金箱」は、事前に店側が仕込む事で、意図的に作り出す事が出来ます。

ファーストペンギンは、なぜ成功するのか

あなたは、ファーストペンギンをご存知でしょうか。ファーストペンギンとは、集団で行動するペンギンの群れの中からエサである魚を追い求めて、天敵がいるかもしれない海へ最初に飛び込む一羽目のペンギンのことを指します。

ファーストペンギンは、リスクを取り、イノベーター(革新者)になる事で、大きな成功を収める事が出来ます。

なぜ、ファーストペンギンは大きな成功を収める事ができるのか。これも「社会的証明の原理」が深く関わっているのです。多くの人が「社会的証明の原理」により、皆と同じ「常識」と呼ばれる行動をしてしまいます。皆がやっていないなら自分もやらない、皆がやっているなら自分もやる、と行った具合にです。

その中で最初に「常識破り」なことをしたファーストペンギンは、「常識破り」の先駆者として広く認知される事となります。そして、その「常識破り」な事が時代の変化と共に「常識」となった時に、「○○と言えば、○○だよね」といった具合に人々の心に深く刻まれるのです。

後は、ビジネスチャンスの入れ食い状態になるので、成功者となる、といった仕組みです。

社会的証明の原理が使われているテクニック

バンドワゴン効果

バンドワゴンとは、パレードの先頭を行く楽隊車です。

バンドワゴン効果とは、「勝ち馬に乗る」だとか「他人が持っているから自分も欲しい」だとか「流行に乗る」だとかの欲求のことを言います。

先頭を行くバンドワゴンについて行っていけば、みんな安心するのです。

「○○で1位!」が量産される理由

通販サイトで、「○○で1位!」と謳い文句が、たくさんの商品についていて、「いったい、本物の1位はどれなんだ・・・」と、困惑した事はないでしょうか。

どのネットショップも何かにつけて、「うちの商品は○○で1位!」と叫ぶことで、

「みんながうちの商品は選んでいる!だからあなたも選んで下さい!」

と、社会的証明の原理を利用して宣伝しているのです。

サクラと呼ばれる人たち

サクラ(おとり)とは、生産者に雇われて消費者の中に紛れ込み、その場の雰囲気を盛り上げたり、商品が売れているように見せかけたりする者を指す隠語です。

このサクラがいつの時代も存在する理由も、社会的証明です。商品をサクラが良い品物だと揃って声に出すことで、本当に良い商品なのだと認知バイアス(思い込み)が発生するのです。

あなたが欲しいと思っているその商品・・・本当にあなたが欲しいものですか?

まとめ

  • 社会的証明の原理とは、ある行動を、みんなが行えば行うほど、その行動が正しいと判断してしまう心理である。
  • 「常識」の正体は、「社会的証明の原理」である。
  • 私たちは他者からの影響を強く受けている。