スリーパー効果とは？否定的だった人が時間とともに肯定的になる！

スリーパー効果（スリーパーエフェクト）とは？

「スリーパー効果」とは、情報や意見に対して最初は否定的だった人が、時間の経過とともにその情報や意見を肯定的に受け入れる現象のことを指します。

例えば、ある商品の広告を見たときにはあまり魅力的に感じなかった人でも、時間が経つとその商品に対する好感度が高まることがあるとされています。

また、ある政治家や団体に対して最初は否定的だった人が、時間が経つにつれてその政治家や団体に賛同するようになることもあります。

この現象は、情報や意見を評価するときに、最初に印象に残る情報に過度に影響を受ける「初見バイアス」と呼ばれる心理的傾向によって引き起こされます。

初見バイアスによって最初の印象が否定的だった場合でも、時間が経つことで初見バイアスの影響が薄れ、より客観的に情報や意見を評価するようになるため、最初は否定的だった人でも肯定的に受け入れることができるのです。

このように、スリーパー効果は長期的な影響力を持つことがあります。そのため、広告やマーケティング、政治的なキャンペーンなどにおいて、時間をかけて情報を浸透させることが重要であるとされています。

スリーパー効果の実例としては、以下のようなものが挙げられます。

スリーパー効果は、政治広告の効果にも関与しています。

一般的に、選挙期間中に放送されるテレビ広告やラジオ広告の大部分はネガティブな攻撃広告です。

これらの広告は、最初に視聴者に否定的な感情を与えますが、時間が経つにつれて視聴者の記憶から消えてしまいます。

しかし、その広告が放送された後、スリーパー効果によって、視聴者の投票行動に影響を与えることがあります。

スリーパー効果は、学習においても見られます。

ある概念や理論を最初に学んだときには、理解ができなかったり、覚えられなかったりすることがありますが、時間が経つにつれてその理解度や記憶力が向上することがあります。

これは、最初に学んだ情報がスリーパー効果を起こし、後でより深い理解や記憶が可能になるためです。

スリーパー効果は、人間関係においても見られます。

初対面の人と話をする場合、最初はあまり印象に残らなかったり、親密さを感じられなかったりすることがありますが、時間が経つにつれてその印象が変わることがあります。スリーパー効果により、初めは気づかなかった相手の良い点や魅力的な部分に目を向けることができるようになるためです。