【希少性の原理】なぜ、私たちは「限定」という言葉に弱いのか?

ナメリーヌ
この前、通販サイトでギザ10(側面がギザギザの10円玉)が、
¥330/枚で売られていました。ギザ10って価値があるんですね。
ヒカリ
モノの価値は、需要と供給で決まり、希少性の原理が深く関わっているんだよ。今回は、そんな「希少性の原理」について解説するね。

希少性の原理とは?

希少性の原理とは、商品やサービスが手に入りにくくなると、その機会がより貴重なものに思えてくる、という心理現象です。

これは、人は今持っているものを「失うこと」を最も恐れるため、だと言われています。何かを限定されるイコール自分の自由が制限される、といった構図です。

例えば、普通の10円(良品)よりも、ギザ10(不良品)の方が価値があるのは、希少性の原理が働いているためです。

合理的に考えれば、不良品よりも良品の方が良いはずです。しかし、みんな希少性の高いギザ10を欲しがりますよね?

なぜ希少性は作用するのか?

なぜ、このような事が起きるのでしょうか。

希少性の原理には、「需要」と「供給」が深く関係しています。

先述の通り、人は失うことや自由を制限されることを恐れます。つまり、供給が少ない物は、それだけで「すぐに入手しないと、手に入らない!」といった具合に、権限を失うといった感情に支配されてしまうのです。

そして、そんな感情に支配された人々が多ければ多いほど、希少性の原理は働き、需要は高まっていくのです。そして供給量に対して、需要が大きくなりすぎた時に、それは「希少性があるもの」となります。

希少性の原理を使った手法

さて、そんな希少性ですが、具体的にどういった手法があるのか見ていきましょう。

数量を限定する

まずは数量限定の手法です。意図的に供給を不足させて、「ここで購入しないともう手に入らない!」と自由を制限させるのです。

この手法を上手く活用しているのが、おもちゃメーカーでしょう。おもちゃが最も売れるのは、クリスマス時期であり、それを過ぎると一気に売り上げが落ちます。

そしておもちゃメーカーにとって、1月~2月は暗黒時期へ突入します。

考えてみてください。クリスマスは、何もしなくてもおもちゃは売れていくのです。それは12月24日、または12月25 日に子供におもちゃを渡さなくてはならない、といった理由があるからです。

そういった心理を利用して、おもちゃメーカーは、クリスマス時期に意図的に子供に人気なおもちゃの供給を制限させるのです。子供からのリクエスト商品(人気なおもちゃ)を買いに、親たちはネット通販を見たり、実店舗に行きますが、そこにはリクエスト商品はありません。しかし、子供にはクリスマスにおもちゃを渡さなければなりません。

親たちは、仕方なく、別のおもちゃを購入して、クリスマスの日にその「別のおもちゃ」を渡します。子供たちはがっかりして、どうしても「リクエストしたおもちゃが欲しい!」と喚き散らすのです。

そして、1月~2月にネット通販、または実店舗で、たまたまそのリクエスト商品を見かけ、親たちは、その希少性を理解しているため、すぐに購入してしまうのです。(何なら必要以上に購入して、メルカリなどで転売する人もいるでしょう)

ちなみに、これは、おもちゃメーカーによって昔から行わている手法です。

時間を制限する

次に時間を制限するといった手法です。一番分かりやすい例は「タイムセール」でしょう。

ネット通販でも、実店舗でも、「今から1時間はタイムセールで30%オフ!」といった具合に、時間制限付きで、割引を行っているシーンを見たことのある人は多いはず。

時間を制限するといった条件をつけることで「今、購入しないと、安く買えるタイミングを逃してしまう!」といった心理が働きます。

先述の通り、人は失うことを最も恐れるため、そのタイミングを逃したくないのです。

そして不必要なものを購入して、後で冷静になった時に「なんでこんなものを買ってしまったのだとう・・・」となるのです。

大手通販サイトが年中セールを行っているのは、こういった理由があるためです。

それはあなたにとって必要なものですか?

さて、私たちは希少性の原理に対して、どのような事に気をつけなければならないか。

最も気をつけるべき点は、「本当にこれは自分にとって必要なものか?」と考える事です。

「希少性が高い」は「品質が高い」とイコールではありません。あなたは、なぜその商品が欲しいのか、考えましょう。

「なかなか手に入らないものだから、誰かに自慢するために手に入れたい」

これが、理由なら買うべきしょう。

しかし、

「品質が良く、使い勝手が良いものが欲しい」

これが理由なら、希少性が高い物を買うべきではなく、量産されていて安くて、使い勝手が良いものを選ぶべきです。

まとめ

  • 希少性の原理とは、商品やサービスが手に入りにくくなると、その機会がより貴重なものに思えてくる、という心理現象である。
  • 人は失うことや自由を制限されることを恐れる。
  • 希少性の原理を使った手法には、「数量限定」と「時間制限」の二種類がある。
  • 希少性の原理に騙されないために、自分にとって本当に必要な商品か自問しよう。