【権威】恐るべし権威の効果!人は権威を持つと、人格が変わる!

ナメリーヌ
最近、スタンフォード監獄実験の話を聞いたんですが・・・
人って簡単に豹変するんですね・・・恐ろしい。
ヒカリ
この世に「本当の善人」は存在しないんだよ。環境によっては誰でも「悪人」になれてしまうのだから・・・。

権威とは?

権威とは何なのか。

一言で言うと、「他者を服従させる力」といったところでしょうか。

その背景には、専門分野において、優れているものとして信頼されている。だからその人の言う事は正しい。といった経緯があります。

私たちは、秩序を保つために適切な権威に従う事が正しく、従わないのは間違いだと教育されます。思い返してみれば、親からのしつけ、メディアからの刷り込み、法律や政治・・・日常に潜む教育に支配されています。生活する中で、これらは避けられない影響です。

恐るべし権威の効果

そんな「権威」ですが、重要なのは中身ではなく、外見です。本項では、その根拠を紹介します。

肩書き

学校の先生、病院の医師、会社の上司、ハイパーメディアクリエイター・・・、etc.

あなたの人生の中で、これらの肩書きを持つ人たちに必ず会っていますよね。では、これらの肩書きを持つ人たちは、必ずしも人格的に優れた人だったでしょうか。また、その分野で優秀な実績を残していたでしょうか。

大抵の人は「No」と答えるでしょう。

それでも、このような肩書きを持つ人たちに対して、あなたは従ってしまいます。それこそが「権威」の力なのです。

ミルグラムの実験

1963年、心理学者スタンリー・ミルグラムによって「記憶の実験」と題された実験が行われました。「教師役」と「学習者役」に分けられ、学習者役は、単語のリストを暗記させられ、電気ショックが流れるイスに固定されます。教師役から出題される単語の問題を間違える度に、教師役が電気ショックを与えるボタンを押すというものでした。

教師役は、最小電圧15Vから始め、学習者役が間違える度に電圧を上げていきます。

※ここでネタバレですが、「学習者役」は、実験側の協力者であり、実際には電気ショックは流れず、全ては演技です。

そして学習者は台本通り順調に問題を間違え、教師役は学習者役が間違える度に、電圧を上げていきます。

学習者役が演技で「もうたくさんだ!ここから出してくれ。お願いだから出してくれ!」と喚き散らしても全くやめる気配がありません。

教師役が止めるべきかと混乱すると、実験服を着た研究者が「続行して下さい」と命令して実験を促していきます。

結局、65%もの教師役が最高電圧である450Vまで電気ショックを与え続けたのでした。

この実験は後に「ミルグラムの実験(アイヒマン実験)」と呼ばれるようになります。

この実験を聞いて、「実験服を着た研究者」という「権威」が、いかに人を服従させるかが分かりますね。この実験の時に被験者は、「研究のプロが言うのだから間違いない」と、考えるのを放棄していたのでしょう。

これと似たような事が、どこの会社でも起きていると思うとゾッとしますね。

スタンフォード監獄実験

1971年、「スタンフォード監獄実験」と題された実験が行われました。心理学者のフィリップ・ジンバルドーによる実験で、看守役と囚人役に分かれて擬似的に刑務所を再現するといった物でした。

この実験は、普通の人に権威(特殊な肩書きや地位)を与えると、その役割に合わせて行動してしまうことを確かめるために行われました。

被験者は、募集から選ばれた健康な体の大学生21人(看守役11人、囚人役10人)です。

看守役には、制服と表情を悟らせないようにサングラスを身に付けさせ、囚人役に対しては、服を脱がし、薄い生地のワンピースを着させて、手足には錠、頭にはナイロンストッキングを被せたそうです。

さらに、点呼と称してAM2:30とAM6:00に起こすといった行為や、罰としてジャンプや腕立て伏せ、また「穴ぐら」と称した真っ暗な物置部屋に閉じ込める、といった事も行われました。

これらの行為は、権威を得た看守役が自主的に考え出したとされています。

普通の大学生が豹変するまでに時間はかかりませんでした。看守役は、囚人役をいびり倒して理不尽な罰を与えるようになりました。一方、囚人役は自分たちが本当に罪を犯した犯罪者であるかのように振る舞い、看守役のサディスティックな要求を受け入れるようになりました。

そして実験は、自由に権力を行使する看守役たちによって、制御不能なものになっていきました・・・。

数名の囚人に精神異常の兆候が見られ、当初、2週間を予定していた実験は、たったの6日間で終了となってしまいます。

スタンフォード監獄実験は世界的に有名な実験なので、知っている方も多いと思います。この実験によって、「人は環境によって簡単に人格が変化する」事が証明されました。

「権威」というものは、それだけ個人にも、周囲にも影響を及ぼす物だと言う事です。

そんな権威の正体・・・

そんな「権威の正体」とはいったい何なのでしょうか・・・。

権威を有するものは本来、優れた知識と力を持っています。そういった優れた人に従うことは、意思決定の短縮に繋がり、合理的な行為となる場合が多いです。そのため、権威者に対して「服従する」といった行為が生まれるのではないでしょうか。

また、面白いことに多くの人は権威者そのものの「実体」にではなく、「特徴」に反応している事が多いのです。

例えば、肩書きや服装、また所有物がその「特徴」と言えます。その人の能力が優れているかどうかではなく、その人がどんな格好をしているか、どんな自動車に乗っているか、で相手に権威があるかを判断しているのです。

本物の権威に従うことは合理的な行動につながり、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)を向上させる行為となりますが、偽物の権威(外見で偽られた権威)に従うことは無駄です。

目の前に権威者が現れた時に、その人は本当に「権威を有する者」か、中身を見て判断することが大切です。

まとめ

  • 権威とは「他者を服従させる力」である。
  • 権威にとって重要なのは中身ではなく、外見である。
  • 人は環境によって簡単に人格が変化する(いつでも悪になれる)。
  • 目の前に権威者が現れた時に、中身を見て判断することが大切である。